星降る丘でキミを憶う

明日になって、バイトが終わったら、シヅキを乗せたまま坂道を登って、呑気に手を振っている君を驚かせてやろう。

あと少し軽ければシヅキを乗せたままでも絶対登れる。

そしたら君はまた自転車から飛び降りるだろうか。

約束したからそれはないかな。

気づかずに鼻歌を歌いながら後ろに乗っているだろうか。

それとも「頑張れ」なんて他人事のように言うのだろうか。

どっちでもいい。
明日になって、君を乗せて、坂道を登れば分かることだ。


「春兄?何見てるの?」

「なんでもないよ。天気がいいなと思っただけ」

「ふーん?」

「おまえ春兄春兄って本当ブラコンだよな」

「いいでしょ!空と違って春兄は優しいから大好きなの!」
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