星降る丘でキミを憶う

だって君はいまこんなにも夢中に話しかけてきている。

きっとお喋りが好きなんだろう。

海も凪も、母さんもバイト先のおばさんも、俺の知っている女の人はみんなお喋りが好きだから。

だから、もっと自由にさせてあげれば良かったなと少し後悔した。

※※※

「空いてるね」

ー土曜日だからな

「座らなくていいの?」

ーシヅキは座らないんだろう

「うん」

ーなら俺も座らない

「ありがとう。あ、見て。可愛いわんちゃん」

ー犬、好きなのか?

「女の子は可愛いものはなんでも好きだよ」

そういえばよく可愛いとか可愛くないとかよくそんなことを言ってたな。
< 207 / 332 >

この作品をシェア

pagetop