星降る丘でキミを憶う

一日の終わりにまで。

そっくりなのにお互いの何が気に入らないのか。

ヒートアップする前に海を連れて洗面台に向かいながらそんなことを思った。

「春兄。春兄は凪ちゃんの彼氏見たことある?」

歯を磨きながら、海が唐突に聞いてきた。

「あるよ。話しもするし」

「どんな人?」

「格好良くて心の広い人」

「いいなー。海も早く彼氏欲しい」

「海はまだ小学生だろう?早くないか?」

「早くないよー。クラスでも付き合ってる子何人かいるし」

今時の小学生はませてるな。

俺が海の歳くらいの時はそんなこと考えたこともなかったのに。
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