星降る丘でキミを憶う
第七章〜始〜(I think you)

※※※

君がいた一週間が終わって、君がいない一週間が始まった。

君がいないというだけで他は何一つ変わらないいつもと同じ一週間の始まり。

過ごしやすい気温。

生い茂る緑。

暖かい日差し。

何一つ変わらない、昨日までと同じ日々。

まだ新しい制服に着替えて、四年間で使い古された自転車に乗って、財布には薄紫のお守り袋を忍ばせて、通いだして四年目になる道を進む。

家の前にある坂道を下る間は分からなかったけど平らで大きな道路を進んでいるとやっぱりペダルが軽かった。

だけどそれだけ。

いつもと何一つ変わらない月曜日。

ただ一つ違うのは君がいないというただそれだけだ。
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