星降る丘でキミを憶う
「はーる!おはよう」
「おはよう」
駅前通りの手前。
広い道路から脇道に逸れてすぐ。
いつも俺と凪が会う場所。
ここから一緒に学校へ行くのももう四年目になる。
「誕生日はちゃんと祝ってもらった?」
「ああ。凪も服、ありがとうな。海がセンスいいって褒めてた」
「どういたしまして。海ちゃんも分かってるねー」
締まりのない顔ででへへと凪が笑う。
小さい時から変わらない、少し変な笑い方。
「ねえねえ春。今度の土曜日ってバイト休み?」
「休みだけど」
「春の家に遊び行っていい?」
「ごめん。その日は用事あるんだ」
凪の目が大きく開いてびっくりした表情を浮かべる。