星降る丘でキミを憶う

「何?」

凪がでへへともう一度笑う。

「そっか。用事なら仕方ないね。じゃあ日曜日は?」

「日曜なら空いてるよ」

「じゃあ日曜日に遊び行くね。久しぶりに海ちゃんに会ったらまた会いたくなっちゃた」

「海にも言っとく」

「お願いしまーす」

少し後ろから凪の声がして、凪より早く自転車を漕いでいたことに気づいた。

少しスピードを落として凪のペースに合わせる。

「春、何かあった?」

「何かって?」

「分からないから聞いてるの」

「何もないよ」

「そうかなー。でも珍しいじゃん?凪の誘いよりも自分の用事を優先させるなんて」
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