星降る丘でキミを憶う

人の多いプラットホームで電車を待っているとどうしても落ち着かなかった。

小さな子を連れた親子がいて。

何を話しているのかやたらと至近距離で言葉を交わしているカップルがいて。

ジャージを着た学生のグループがいて。

そういうものが目に入る度、俺はどうしようもなく居心地の悪さを感じてしまう。

だってここにいる人たちはみんな楽しそうに笑っていて、このさきだってきっと、同じ人と笑い合うんだ。

だけど俺は違う。

一緒に笑い合いたい人と笑うためにここにいるんじゃない。
< 311 / 332 >

この作品をシェア

pagetop