星降る丘でキミを憶う

俺はこんなにもシヅキのことが好きなんだ。

シヅキがいなくなってからも、まだこんなにも。

俺は幸せだ。

人を好きになることを知っている。

君を想うと心が温かくなる。

俺はとても幸せだ。


ープシュー

大きな空気を吐きながらバスが止まる。

初めて降りたその場所は緑が多く、とても静かないい街だった。

『春人は素敵な街に住んでるね』

俺もあの街が大好きだ。

だけどシヅキの住んでいた街だってとても素敵だよ。

緑は多いし流れる時間はゆっくりで歩いている人の雰囲気も落ち着いていて。

ここだってとても素敵な街だ。

スマホで調べた地図を見ながらシヅキの住んでいた街を歩く。

どれだけゆっくり歩いても十分とかからずシヅキの家に着く。

あと本当に少しで君の元へ行ける。
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