星降る丘でキミを憶う

趣のある路地を地図を頼りに歩いていると一本の電柱に花が添えられているのが見えた。

『学校の帰りに家の近くで』

俺はその場所で軽く手を合わせてからまた地図に目を通して前に進んだ。

※※※

赤く舗装された道を、両脇にある家と家との間を抜けて、庭に松の木が植えられている一軒家の前で止まる。

ー旗野

背筋を伸ばして大きく息を吸う。

ーピンポーン

「はい。どちら様でしょうか?」

インターホンからシヅキのに似た落ち着いた声が聞こえてきた。
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