星降る丘でキミを憶う

……星月。

俺は。

俺も、星月のことがー

「嘘……」

聞こえてきた声に振り返る。

瞬間。

心臓が大きく跳ねた。

薄い青のワンピース。

ショートヘアの黒い髪。

それよりも深い、黒の瞳。

名前を呼ぼうとして、だけど急な衝撃を受けて息が止まる。

「春、人ぉ……」

後ろによろけそうになる体をなんとか踏ん張って、俺のじゃない重みも一緒に支える。

「なんで?どうして?」

人一人分の重みが、生きてる体温が、回された手から、埋められた顔から伝わってくる。
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