星降る丘でキミを憶う

「会いたかった」

「うん。俺も」

触れている部分が熱く熱を持つ。

星月から溢れてくるものが俺の胸を濡らした。


※※※


「あらあら。二人ともどうしたの?」

シヅキのお母さんの声にはじかれたように体を離す。

「とりあえずお茶淹れたから、座ったら?」

和室の座布団に座って改めてシヅキと向かい合う。

「髪、切ったんだな」

「うん」

「似合ってる」

「ありがとう」

さっきまで触れ合っていた部分にまだシヅキの体温が残っている。
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