星降る丘でキミを憶う
「シヅキ」
「春人」
声が重なる。
「なあに?」
「なんだ?」
再び重なった声に思わず笑いが溢れた。
ひとしきり笑い合って。
シヅキとの間に流れる空気に急に恥ずかしくなって。
出されたお茶を啜る。
「春人」
「なんだ?」
「どうして家が分かったの?」
「前にシヅキの友達に会ったって言っただろ。その時、聞いたんだ」
「そうだったんだ」
シヅキを家族に会わせてあげたくて聞いたんだ。
だけどそんなことよりー
「幽霊じゃ、ないよな?」
深い黒の瞳を細めながらシヅキがそっと手を差し出してくる。
色の薄い手に自分の手を重ねる。