星降る丘でキミを憶う

「ふふ。お母さんがっかりするよー。花束なんてもらったのいつ以来かしらとか、春人のこと男前な素敵な子ねとか褒めてたのに」

「シヅキが言わなきゃがっかりさせないで済む」

「そうだね。うん。秘密にしておこうか」

差し出された小指に自分の小指をしっかりと絡ませる。

「シヅキ」

「なあに?」

「明日、家に来ないか?」

「明日?」

「凪が来るんだ。海もいるしたぶん空もいる」

「いいの?」

「話したいって、仲良くなれるって言ってただろう」

「うん。でも緊張するなー」
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