星降る丘でキミを憶う

「どう、かな?」

「似合ってるよ」

「ありがとう」

照れながら微笑むシヅキにもう一つ、忘れていたことを思い出す。

「シヅキ」

深い黒の瞳に俺が写り込む。

「俺も、星月が好きだよ」

深い黒の瞳が潤んで写り込んでいる俺の顔が歪んでいく。



ここから始めよう。

シヅキには、俺には、俺たちには。

やりたいこともやり残したこともたくさんある。

だから、今度こそ、始めよう。

終わりが来るその日まで。

続いていくいまを。

ここから二人で始めよう。
< 330 / 332 >

この作品をシェア

pagetop