星降る丘でキミを憶う

意外と地味。

たまに来るその人たちは揃いも揃ってそう言う。

映画と違って少し開けただけのただの丘。

坂道に突然現れる、どういう経緯で作られたのかよく分からないロータリー。

地元の俺にだって愛着も何もないその場所はがっかりするくらいに本当に地味だ。

それなのに彼らは飽きもせずここに訪れる。

学校の女子に言わせればこの丘は聖地らしい。

ブオンと大きな音を響かせて、来たばかりのその人たちは元来た道を引き返していった。

ー22:30

整った息を確認して再び自転車にまたがる。

そうして家までの道をまた重いペダルを踏んで進んだ。
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