星降る丘でキミを憶う
第二章~星~(presence)
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さっき飲んだコーヒーのせいか俺はいつまでも寝付けないでいた。
……いや、眠れないのはコーヒーのせいなんかじゃない。
顔まで被っていた布団をずらして部屋の隅に目を向ける。
そこにあるのは十年間変わらない俺だけの世界。
……じゃない。
膝を抱えて座っているシヅキがひらひらと手を振ってこちらを見ていた。
「え?」
「私ね、どうしてここにいるのか。なんでこんなことになってるのか。そういうの全然分からないの」
「記憶がないのか?」
「みたい。だから春人に協力して欲しいんだ」
「協力って?」
「うーん…」