星降る丘でキミを憶う
「シヅキのことだろ」
「だって分からないんだもん」
「でも、名前。名前は覚えてるんだな」
「本当だ。そういえばそうだね」
「シヅキって変わってるよな。幽霊だから?それとも前から?」
頬を膨らませてまたムッとした顔をする。
「悪い意味じゃないよ」
「じゃあどういう意味?」
「分からない」
「分からないことないでしょう。春人が言ったのに」
「シヅキも同じだろ」
「んんっ」
何か言いたげな顔をするも言葉が見つからないらしい。
その声は口の中に篭って小さく漏れるだけだった。
「もう遅いから協力するのは明日からでいいだろう?」
「うん、そうだね。明日からでいいよ」
「今日はどうするんだ?」
「何が?」
「寝る場所とか」