星降る丘でキミを憶う
「じゃあドキドキするでしょ?家族に隠れて女の子と二人きりだよ?なんか漫画みたいだよね」
「シヅキ」
「なあに?」
「おやすみ」
「……おやすみなさい」
幽霊とはいえ女の子が俺の部屋にいる。
だけどドキドキはしない。
本当にしいない。
全くしない。
でも幽霊には睡眠は必要ないらしく、それでもってシヅキはずっと俺を見ている。
こんな状況でどう眠ればいいんだ。
その後もうまく寝付けず、感じる視線に目を開けばシヅキはひらひらと手を振っていて、ようやく眠りにつけたのは外が白み始めてからだった。