星降る丘でキミを憶う


重い。

「なあ、幽霊なのに空とか飛べないのか?」

「分からない。飛んだことないもん」

「ちょっとやってみてよ」

「飛び方分からないよ?」

「やる前から諦めるなよ」

「いいじゃん。私いま楽しいよ」

「俺は楽しくない。重い」

「それは禁句だって言ったでしょ。それに協力してくれるって言ったじゃん」

「二人乗りくらいで未練にはならないんじゃないか?」

「うーん……」
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