星降る丘でキミを憶う

「大丈夫。昨日試した感じでは見えてないよ」

「試したのか?」

「うん。なんでここにいるのか、何してるのか、何も分からなかったから色々な人に声かけたんだけどみんな無視。なんで春人には見えるんだろうね?」

「さあ」

「はーる!おはよう」

「おはよう」

「おはようございます。初めまして。シヅキです」

後ろから呑気な声がしてひやっとする。

「昨日はありがとね。海ちゃんにも空にも会えて楽しかった」

良かった。

凪にもシヅキは見えていないらしい。

「海ちゃんと空って誰?」

「春、なんか元気ない?」

「あ、それ多分ー」

「ただの寝不足だよ」

「授業中寝ないようにね」

「寝そうになったらー」

「凪じゃないから寝ないよ」

「凪だって寝ないよー。そうだ!今年は何が欲しい?」
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