星降る丘でキミを憶う
「自分の机でやりなよ」
「時間が惜しい」
「早く写さないと先生来ちゃうもんね」
「春人って綺麗にノート使うよな」
「私も思った。性格でてるよね」
ーうるさい
「酷い。休み時間なんだからお喋りしたっていいでしょ」
ー授業中は黙っててくれるんだな
「うん、任せて」
「何書いてるんだ?」
「なんでもないよ。いいから早く写せ」
「おう」
「教えられないよね。私と春人の秘密だもんね」
人差し指を顔の前までもってきて、ウインクまでしながら嬉々と話すシヅキに少し腹が立ってきた。
ーちょっと静かにしてて
「えー」
隣に立っているシヅキを軽く睨む。
「分かったよ。大人しくしてます」
シヅキはそう言ったけどその後もやっぱりうるさくて、明日はなんとしてでも留守番していてもらおうと俺は思った。