星降る丘でキミを憶う

遠くで見てるって言ってなかったか?

いや言った。

絶対に言ってた。

なのにー

「すごいね。春人ってば人気者だ」

なんで当たり前のように俺の隣に立ってるんだろう。

「五十円のお返しです。カゴお運びしましょうか?」

「すいませんねぇ。ありがとう」

「うんうん。やっぱり春人は優しいね」

カゴを運ぶ俺のすぐ隣でシヅキは一人で納得している。

「こちらでよろしいですか?」

「助かるわ。ありがとう」

「どういたしまして」

レジに戻って作業を続ける。
< 78 / 332 >

この作品をシェア

pagetop