星降る丘でキミを憶う
結局俺がレジ打ちをしている間シヅキは隣にいて、ずっと何かを喋っていた。
「お先に失礼します。お疲れ様でした」
「お疲れ様です」
店を出て裏の駐車場に向かうまでもシヅキは俺の真似をして挨拶をしながらついてきた。
外はすっかり暗くなっていて周りにはこれから夜を満喫するであろう大人たちがたくさんいた。
居酒屋はチカチカ光る看板をだしていて、昔からある焼き鳥屋は赤い提灯を灯している。
そこに向かうのはスーツを着た大人たちばかりで、制服を着た学生も何人か歩いているけどその人たちは家へと向かって歩いている。
その中をいつものように自転車に乗って俺も家へと向かった。
「春人のバイト先はいい人ばかりだったね」
まだ周りには人がいるから俺は声をださず頷くだけで返事をする。