星降る丘でキミを憶う

「うん。映画を観てそれからクレープを買い食いして、プリクラとかも撮りたいな」

「それ他の人から見たら俺が一人でやってることになるんだよな……」

「そっか。じゃあプリクラは諦める。後はカラオケにも行きたいし渋谷にも行ってみたい。それからねー」

「ちょっと待って。それ全部を明日するのは無理だ。いきなりどうしたんだ?さっきまで全く考えてなかったのに」

「春人がいない間に考えたの。考えたらやりたいことがたくさんあったの」

「そうか。それがシヅキのやり残したことなのか?」

「分からない。けど、やりたいことではあるよ」

「分かった。付き合うよ。だけど一度に全部は無理だ」

「ありがとう。そうだよね、一日じゃ無理だよね」

そう言ったシヅキの顔は笑っていたのに、なぜだかとても不安そうで同時に少し安心しているようななんとも言えない表情をしていた。
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