初恋カプチーノ
「そういえば、駅前にできた新しいカフェ知ってる?」
「うん!!」
「今から行かない??」
「行く!」
「じゃあ決まり!」
私達は学校であった話をしながらカフェまでの道を歩いた。
カランカラン。
お店の扉を開けるとベルが鳴り響いた。
「いらっしゃいませー!こちらへどうぞ。」
新しくできたそのカフェはドリームハウスという店名だった。
「わぁー。落ち着いてるね。」
「そうだね。」
のんは興味津々に店内を見回している。
そして店のメニューを見ながら注文を決めた。
私はカプチーノ。のんはロールケーキを頼んだ。
「あんずってカプチーノ好きなの?」
「うん。苦いけどまた違った甘みがあって好き」
「意外だな…あんずだったらココアとか飲んでそうなのに。」
「そうかな?よく言われるけど。」
「この店いいね雰囲気も良いし…店員さんも良いし!」
「店員さん?」
「うん。ほらあそこにいる人!めっちゃかっこよくない?アルバイトかなー?」
注文を受けている私達よりも少し年上くらいの背が高い男の人。
笑顔が優しくて明るくて眩しすぎるくらい…。
私とは正反対の人だな…。
どっちかというと私は地味で目立たないタイプだし、勉強も運動もできないのに。
なんだか太陽を真近で見ているみたい。