そのキスで、覚えさせて
『家庭的男子、遥希』
その見出しの下に、長い文章と遥希の写真が載っている。
雑誌の中の遥希は、キラキラスマイルを浮かべてこっちを見ている。
そんな遥希に、案の定どきんとしてしまう。
こうやって改めて見ると、遥希はやっぱりかっこいい。
少しつり目気味の大きな瞳に、緩やかに口角の上がった唇。
その唇で……
なんて想像してしまって、真っ赤になった。
あたしは気を逸らすため、文章に見入る。