そのキスで、覚えさせて
こんなところ、遥希に見られたくない。
それに……
こんな目の前に遥希がいたら……
あたし、どうしたらいいの?
鼓動は速く、身体は震えた。
静かにしてくださいとか、普通のライブのように乗ってくださいとかアナウンスが流れた。
それも耳に入らないほど、あたしは緊張で固まっていた。
そんな中、ステージにライトが灯る。
眩しいスポットライトに照らされて、彼は現れた。
その姿を見るだけで……
あたしは高揚した。