そのキスで、覚えさせて





真っ赤な顔のあたしは、立っているのがやっと。

こんなあたしに背後から抱きつく遥希。

ただのバカップルみたいなこの姿を、泉は顔をくしゃくしゃにして見ていた。





「こういうことだから」




遥希があたしの耳元で言葉を発する。

その声は、鼓膜を甘く揺らす。




「こいつ、俺の女だから。

これ以上美咲を振り回すの、やめてくれね?」



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