そのキスで、覚えさせて
あたしは遥希を見上げる。
遥希はやっぱり少し頰を染めていて。
そんな遥希が大好きだと感じる。
大好きだけど……
本当は遥希の活躍をもっと見たいけど……
陸さんとのやり取りが蘇る。
メンバーから嫌われているあたしは、メンバーに会うのがすごく怖い。
「ごめん。帰る」
あたしは遥希に背を向けて歩き出した。
遥希に言ったら、また力ずくで解決しようとするかもしれない。
だからこそ、遥希には言えない。
これは、あたしの問題だから。