そのキスで、覚えさせて
遥希は気付いているんだろう、あたしが遥希の歌のことばかり考えていることに。
それくらい感動したのは本当だけど、今は疲れた遥希を労わらないと。
それに、感謝しないと。
あたしが言えないことを、泉や瀬川さんにスカッと言ってくれた。
泉というファンが減るのに。
明日、泉に会うのはすごく怖いけど、心の中のもやもやが一つ晴れたよ。
「ありがとう、遥希」
そう言って、大好きな遥希に身を寄せる。
あたしは遥希の彼女で、すごくすごく幸せだ。