そのキスで、覚えさせて
「嫌わないよ。むしろ……」
そして、あたしが最も恐れていた言葉を吐いた。
「美咲の彼氏が嫌いになった」
だよね。
昨日の遥希、キラキラアイドルじゃなかったから。
アイドルの遥希が好きな泉が、失望したのは容易に想像出来る。
そして、遥希も予想していただろう。
それでも、その道を選んでくれた。
それに対してあたしは、嫌われるのを恐れていた。
どれだけ自分が小さな人間か、見せつけられた気がした。