そのキスで、覚えさせて
だけど、あたしの心配は杞憂に終わり、泉は嬉しそうに言う。
「昨日はびっくりすることが多かったけど、このお腹の子のせいで全部吹っ飛んじゃった」
そんな幸せそうな泉を見ることが出来て、本当に嬉しい。
偽りの友情なんて悩んだけど、泉の幸せを素直に喜ぶことが出来た。
泉はなおも幸せそうに続ける。
「まだ安定期でもないし、職場には言えないけど。
でも、美咲には言いたくて」
そう思ってもらえて、本当に嬉しい。
あたしは泉に酷いことをしてしまったのに、泉はまだあたしと仲良くしてくれる。
「おめでとう」
心からそう思って、泉に告げた。