そのキスで、覚えさせて





一瞬の間。

遥希の大きな瞳が、さらに大きく開かれる。





そして……





「マジで?」




すっごい嬉しそうな顔で笑う。

まるで、太陽みたいな陰のない笑顔だった。

その笑顔を見たら、やっぱり胸がきゅんとした。





「すげぇ嬉しい。

絶対幸せになろうな」




遥希はそう言って、割れ物に触れるようにあたしを抱きしめる。

その腕の中で、幸せだと思った。

遥希にこんなに愛されて、すごく幸せだと思った。






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