そのキスで、覚えさせて
それでも、
「美咲……」
遥希は優しく静かに告げる。
「大丈夫だ。
俺はお前のために、料理やギターの努力をしてきたんだ。
きっと上手くいく」
根拠もないのに、その言葉を信じてしまう。
少しずつ、安心してしまう。
「お前も知ってるだろ?
俺様、要領いいんだよ」
その言葉に思わず吹き出してしまった。
そして、遥希に抱きついていた。
不安は残るけど、それは遥希も一緒。
遥希を信じてついていくしかない、と思った。
だって、こんな遥希を選んだのもあたしだから。