そのキスで、覚えさせて
白い判定部分を見た瞬間、絶望に襲われた。
遥希との愛しい子供がお腹にいると信じていたのに、まるでそれが消えたしまったかのように。
あんなに妊娠を恐れていたのに、本当は望んでいたのだとようやく気付く。
大好きな遥希との子供が、あたしは欲しかった。
「ごめん……
赤ちゃん……いない」
泣きながら伝えるあたしを、遥希は優しく包み込んでくれる。
そして、流れるあたしの涙に、ゆっくりと唇を付ける。
「ようやく覚悟出来たか」
その言葉に頷くあたし。
あたしは……
遥希と結婚したい。
遥希の子供が欲しい。