そのキスで、覚えさせて
藤井さんは素敵炒飯を残し、用事があると帰る準備を始めた。
「Fの用事ですか?」
思わず聞いたあたしに、
「そうなんだよなー」
藤井さんは言う。
「ライブがあるから、さすがに曲を詰めていかねぇと」
そんな藤井さんの言葉に、やっぱりドキドキしてしまう。
あたしは頰を染めて藤井さんを見ていた。
藤井さんが普通のお兄さんだとしても、蒼さんがお馬鹿だとしても、やっぱりFのファンはやめられない。
Fのことを考えると、胸のドキドキが鳴り止まないよ。