そのキスで、覚えさせて
遥希は泣きそうな顔で、優しく笑った。
その儚い笑顔が胸を焦がす。
遥希が触れると、少しずつ不安が消えていく。
あたししかいないんだと再確認する。
甘くて、優しくて、激しいキス。
頭の中がぼんやりして、遥希しか見えなくなる。
遥希がいてくれれば、他に何もいらないと思ってしまう。
どのくらいだろう、その時間が永遠にも思えた。
何度も口付けを交わし、頭の中を遥希でいっぱいにしたあたしに、遥希は甘く切なく告げる。
「……いいか?」
あたしはこくりと頷いた。