そのキスで、覚えさせて
そんな遥希に告げるあたし。
「碧とキスしたいとか、上手いだろうなとか」
あたしの言葉を聞いて、遥希は弱々しくて泣きそうな顔をしていて。
こんな遥希に弱いあたしは、本当の気持ちを伝えてしまう。
「……なんて、思う訳ないじゃん。
あたしには、遥希しかいないんだから」
あたしがキスシーンで打撃を受けるように、遥希にも悲しんで嫉妬して欲しい。
だけど、遥希が好きすぎて、嘘なんてつけなくなる。
「まぁ、蒼さんはそんなキャラじゃないしね」
あたしの言葉に、
「蒼はいいんだよ」
遥希はぶっきらぼうに告げる。
「お前、びっくりするくらい蒼には興味ねぇだろ。
だから俺は、碧に嫉妬してんだ」