そのキスで、覚えさせて





再び沈黙。

その、切り裂かれてしまいそうな視線が痛い。




やがて、陸さんはため息混じりにあたしに告げる。





「確かに言った。

……アンタは、ずっとそれを気にしていたのか」




しっかりと陸さんを見て、こくりと頷く。

相変わらず鼓動は速い。





「俺は、アンタが遥希を誑かしていると思ってそう言った」



「……え?」



「夜の繁華街で、男遊びしていると思った」



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