そのキスで、覚えさせて
結局、隆太さんも不安げな表情を残して帰っていった。
そんな隆太さんの後ろ姿を見ながら、
「あいつら普段は厳しいのに、こんな時だけ甘いことを言う」
遥希がぽつりと呟いた。
「俺はそれに甘えることも出来るけど……
甘えてはいけないと思う」
「うん……」
「あいつらの期待に、応えてやりたい」
「うん……」
遥希がそう思うなら、あたしは遥希を応援する。
遥希は幸せだね、素敵な仲間に恵まれて。
遥希はTODAYが嫌いとか言うけど、あたしは大好きだよ。
みんなそれぞれ違うけど、みんなすごく仲間思い。
あたしもね、何か遥希を元気付けられることはないかな。
遥希を少しでも元気にしてあげたい。
そう思って、おもむろに立ち上がった。