そのキスで、覚えさせて





その瞬間、



「きゃぁぁぁあ!!」



あたしの悲鳴と、



「何やってんだ?」



遥希の叫び声が聞こえた。




あたしは醜く宙を飛び、どさっと地面に崩れ落ちる。

ズキンと重い痛みが体を襲った。

無様に倒れこむあたしに、



「美咲、大丈夫か?」



遥希が駆け寄る。

やっぱり遥希は優しくて、そんな遥希が大好きだ。





「大丈夫大丈夫」



笑顔で答えるが、



「ほら……痣になってる」



遥希は苦い顔で、 ストッキングから覗くあたしの足に優しく触れる。



遥希が触れただけで、痛みなんて吹っ飛んでしまいそう。

身体が熱くてドキドキ言うよ。



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