そのキスで、覚えさせて







遥希は死んだように眠った。

今まで悩んで睡眠すら取れなくて、ようやく吹っ切れたかのようだった。

そして、昼過ぎに起きた遥希は、なんだかすっきりした顔をしていた。





「本当は、東京公演まで来てほしくなかった。

お前がいると、やっぱり緊張する」




遥希はあたしをぎゅっと抱きしめる。

ただ、抱きしめられているだけなのに、幸せを感じてしまう。

こんなにも遥希に愛されて、本当に幸せだ。


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