そのキスで、覚えさせて
遥希は苦い顔でブレスレットを受け取り、腕に付ける。
そんな遥希に言ってしまう。
「衣装とかあるでしょ?
だから、見えるところに付けなくてもいいの!
持っていてくれればいいの!!」
一瞬の間。
遥希はまた、泣きそうに顔を歪めた。
やっぱり遥希は無理しているんだ。
恐怖と絶望と戦っているんだ。
「いや、隠すとかもったいねぇ」
遥希はあたしに告げる。
「むしろ、見せびらかしてやる。
俺はお前の男だって」
そんな遥希に、キュンキュンが止まらない。
こんな時なのに。