そのキスで、覚えさせて








曲が間奏に入り、アクロバットの部分に入る。

隆太さんのしなやかなハンドスプリング。

開場がわぁっと湧く。





そして……






「……え?」





あたしはモニターに釘付けになった。





だって……



だって……



他の三人と同じく、完全なバク転を決める遥希。

続いてバク宙。そして、ブレイクダンスみたいな激しいダンスまで。





遥希……出来たんだ。

また、出来るようになったんだ。





あたしの頰を涙が伝う。

嬉しくて嬉しくて、あたしはその場にしゃがみ込んで泣いていた。


< 277 / 377 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop