そのキスで、覚えさせて
曲が間奏に入り、アクロバットの部分に入る。
隆太さんのしなやかなハンドスプリング。
開場がわぁっと湧く。
そして……
「……え?」
あたしはモニターに釘付けになった。
だって……
だって……
他の三人と同じく、完全なバク転を決める遥希。
続いてバク宙。そして、ブレイクダンスみたいな激しいダンスまで。
遥希……出来たんだ。
また、出来るようになったんだ。
あたしの頰を涙が伝う。
嬉しくて嬉しくて、あたしはその場にしゃがみ込んで泣いていた。