そのキスで、覚えさせて
「みんな、時間をありがとう。
僕はまた、みんなの遥希に戻ります」
えーっ!と悲鳴すら上がる。
そんなファンを、遥希はキラキラスマイルで見る。
「既婚者になっても、よいパパになっても、僕はみんなのことが大好きです。
それでは最後の曲、行きましょう」
会場が湧いた。
今までにないくらい大きく。
その中で、あたしは涙を流し、胸をときめかせ、遥希の最後のパフォーマンスに酔いしれる。
すごく素敵な夜になった。
あたしはこの日を一生忘れない。