そのキスで、覚えさせて
そんな中……
「美咲」
大好きな声が聞こえる。
振り返ったあたしは、大好きな彼に駆け寄って、その身体に飛びついていた。
愛しいが溢れてくる。
こんなにこんなに、身体全身で遥希が好きだなんて。
「おい、そんなにくっつくんじゃねぇ」
遥希はそう言って、あたしを身体から離す。
そんな遥希、汗びっしょりで、ツアーTシャツも濡れていた。
だけどあたしは気にしない。
大好きな遥希を、絶対離さないんだから。
ぎゅっと遥希にしがみついていたら、観念したように遥希もあたしを抱きしめてくれる。
その大好きな遥希に抱かれて、世界一の幸せ者だと思った。