そのキスで、覚えさせて
コンサートが大成功に終わり、仕事も一息ついた遥希。
相変わらずTODAYとしての仕事や、料理コーナーの仕事があって、完全にはフリーではないが、一時期よりずっと自分の時間を持つことが出来るようになった。
そんな遥希とゆっくり過ごす、休日の午後のはずだった……
「遥希さん。
どうか、お願い出来ないですか?」
あたしたちの前には、頭を低く下げた艶さんがいる。
そんな艶さんを、遥希は驚いたように見ていて。
艶さんの後ろには、困った顔の藤井さんと蒼さん、そして酙さん。
マネージャーのけいちゃんまでもいた。
Fが揃ってる!
なんて顔を真っ赤にしてニヤニヤするあたしを、遥希は一瞥する。