そのキスで、覚えさせて
腕に付けたライトが虹色に輝く。
会場の音が大きくなり……
これ以上ないほど、心臓が高鳴りを始める。
遥希?
今、何してるの?
もう、この大舞台にスタンバイしてるんだよね。
緊張してるの?
でも、大丈夫。
バク転みたいに、遥希のライブもきっと上手くいく。
期待を胸に拍手を送った時……
あたしの大好きな声が聞こえた。
その声を聞いた瞬間、胸がきゅんと甘い音を立てる。
顔がにやついてしまう。
大好きだと実感する。