そのキスで、覚えさせて
「この日のために、一生懸命練習してしました。
残り、一曲歌わせていただきます。
精一杯頑張るので、よろしくお願いします」
ミドルテンポの二曲目も、相変わらず素敵だった。
ドキドキキュンキュンして、遥希から目が離せない。
そんな遥希の左手がスクリーンに映る。
そこには、あたしとお揃いの結婚指輪が光っていて。
自然とにやけていたんだ。
みんなの視線を浴びる遥希は、あたしのもの。
こっちを見て笑う遥希に、あたしも笑みを返していた。