そのキスで、覚えさせて
「覚えてろよ」
遥希は少し頰を染めてあたしに言う。
「旅行行ったら、一日中愛してやる。
朝からヒイヒイ言わせてやる」
やめてよ、蒼さんだっているのに!
だけど……
やっぱり意識してしまう。
一日中遥希に触れていられるなんて、すごくすごく幸せだ。
ピンク色のあたしたちに、
「はいはい。キモキモ」
面倒そうに蒼さんが言う。
そんな蒼さんに、遥希は噛み付く。
「黙ってろ!
美咲はてめぇにはやらねぇよ。
てめぇ、ぶっ殺す!」
そんなこと言わなくても、あたしには遥希しかいないんだよ。